国連安全保障理事会決議に基づく多国籍軍のイラク駐留期限が年末で切れるため、イラクと英国は近く、駐留英軍の任務延長をめぐる交渉を開始する。イラクのマリキ首相が19日、明らかにした。
マリキ首相はこの日、イラクを電撃訪問したハットン英国防相と会談。その後出した声明の中で、「米国との地位協定が承認されれば、駐留英軍をめぐる合意も達成しやすくなるだろう」と述べた。米国も安保理決議の期限切れを前に、その後の米軍駐留の根拠になる枠組みとして、地位協定の締結を目指している。
駐留英軍については、ブラウン首相が今年7月、「来年初めまでには一部の部隊を撤退させる」と表明。一方、マリキ首相は先週、英紙タイムズとのインタビューで、「英軍部隊によるイラク南部の治安維持はすでに不要。イラク治安部隊の訓練を支援してほしい」と述べていた。
マリキ首相は声明でさらに、「イラク復興努力に参加を」と、英企業に同国への投資を呼びかけた。