アフリカのソマリア沖で相次いでいる海賊被害を防ぐため、NATOの艦船7隻が派遣され、現地に到着したと言う。ソマリアのフセイン首相は19日の記者会見で歓迎を表明し、NATOに領海内での軍事行動を認める考えを示した。
NATO各国の国防相は先日国連の要請を受け、ソマリア向け支援物資を積んだ世界食糧計画(WFP)の輸送船の護衛支援で、海軍艦船のソマリア沖派遣を承認。WFPの輸送船はカナダ軍の艦船が護衛しているものの、一時的調整の期限が今週で切れる。NATOは海賊対策を兼ねて、艦船を派遣したとしている。
ソマリア北部のアデン湾では昨年から、海賊による船舶の乗っ取り事件が頻発している。ロンドンの研究機関によると、今年これまでに襲撃された船舶は60隻と、昨年からほぼ倍増した。支払済みの身代金総額は1800万-3000万ドルで、米国からテロ組織に指定されているソマリアのイスラム武装勢力アルシャバブの資金源になっているとされる。
海賊は先月からソマリア沖で、旧ソ連の戦車や砲弾、小火器を積載しているウクライナの貨物船を乗っ取り、2000万ドルの身代金を要求。米海軍の艦船が付近で監視を続けている。