今シーズンのF1では予選時に、わずか2秒の中に全20台がひしめき合うという大接戦となっている。ラップタイムがライバルに比べてわずか1秒速いだけではかわすのに十分ではないため、日曜午後に行われる決勝レースでは単純にオーバーテイクを見る機会がほとんどないのが現状だ。
F1ではオーバーテイキング・ワーキング・グループが設立されており、09年に導入される予定のKERS(運動エネルギー回収システム)、アジャスタブルフロントウイング(コクピット内から角度調整ができるウイング)、スリックタイヤといった要素がレースをより面白いものに仕立てることができるように考えているのだ。
現状では、ルールの範囲内でオーバーテイクを成功させることが大きな挑戦となっている。
ベルギーGPでライコネン(フェラーリ)をハミルトン(マクラーレン)が追い越そうとした問題を受け、どのドライバーも合法的なオーバーテイクがどういったものなのか疑問に感じているようだ。しかしイタリアGP開幕を控え、GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)が会合を開き、この問題について議論を行った。
GPDAの理事を務めるデビッド・クルサード(レッドブル)は、「僕らはレースを戦ううえで状況の確認を得たいと考え、前進したいんだ」とコメントしている。