ロシア軍が侵攻、武力衝突が起きたグルジア情勢で、ロシア外務省当局者は5日、人道支援物資搬送で米政府が海軍艦船などをグルジアに派遣している事に触れ、ロシアは軍事的な対応策は考慮していないと言明したと言う。
同当局者は、黒海内での外国艦船の通航は国際協定で認められていると指摘した。
ロシアのプーチン首相は先に、グルジア支援に関連し、米軍、NATOの艦船が今後、黒海に新たに到着した場合の対策を検討すると強硬策も示唆していた。ロシアは、外国の海軍艦船がグルジア向け兵器を輸送しているとも疑っていた。首相は、最新のロケット弾砲を備えた米沿岸警備隊の巡視艇が人道支援物資を積んでグルジアに接岸したことも問題視していた。
欧米はロシア軍のグルジア侵攻を強く非難しているが、エネルギー供給をロシアに大きく頼るEU加盟国では米国の強硬路線と一線を画する意見も出ている。
米軍は第6艦隊の旗艦船もグルジアに派遣、黒海沿いのポチに5日寄港している。
ポチにはロシア軍が和平維持軍との名目でまだ残留しているともされる。同船は、毛布、衛生簡易セットや幼児用食料などを陸揚げする予定。グルジア情勢が緊迫化した後、同国に寄港する人道支援の米軍艦船は3隻目となった。
米政府は海軍艦船らのグルジア派遣でロシアに圧力を掛ける狙いもあるとみられる。