国連安全保障理事会は19日露軍が侵攻した南オセチア自治州、グルジアでの武力衝突を受けて緊急協議を開いた。グルジアの国連大使は安保理に対し、露に即時撤退を要求するよう促したと言う。
グルジアに米英を加えた3カ国は、露が軍事行動を継続したため紛争が南オセチアから拡大し、グルジア国内のインフラを破壊しているとの見解を示した。3カ国の国連大使はまた、EU仲介で停戦合意に署名したにもかかわらず、グルジア領内から軍を撤退させていないとして、露を批判。ベルギーや伊、仏も懸念を表明した。
停戦合意を仲介したフランスは、停戦の完全履行を求める安保理決議案を提示。露軍には戦闘前の地点までの即時撤退、グルジア軍には平常の拠点までの撤退を求めた。
安保理の常任理事国として拒否権を持つ露は、EU仲介の和平6原則の内容が完全に反映されていないとして、決議案の受け入れが不可能との姿勢を表明した。露のチュルキン国連大使は、決議案に露の治安対策強化が盛り込まれず、停戦合意を越えて露軍の即時撤退を求めている点に反発。同大使はさらに、安保理の緊急協議が露への偏見で開かれていると発言した。