露軍が武力介入したグルジア・南オセチア自治州の軍事衝突で、グルジア内務省は14日、中部ゴリ市に侵攻していた露軍が撤収を開始したと述べた。
同省報道官はまた、黒海沿いにあり石油積み出し基地があるポチ港からも撤退が始まったと語った。露のラブロフ外相は、同港への侵攻は否定している。
AP通信が報じた。露軍はゴリに13日に侵攻、グルジア、露両国による紛争解決に向けた6項目の基本原則の合意後の軍事行動で、合意違反との批判も出ていた。基本原則の合意は、EU議長国、仏のサルコジ大統領の調停の結果で、両国軍の部隊を武力衝突が発生した8月6日前の地域に戻し、軍事行動停止や避難民の安全帰還の保障などが盛り込まれた。
露軍当局者はゴリ侵攻について、武力衝突に伴い市内に大量に放置された武器類の管理が理由と主張していた。ゴリは、南オセチアから南へ約24キロと近接した地点にあり、グルジア軍の武器保管庫の一掃を狙ったともみられる。
別の内務省当局者は、露軍撤退に伴い、グルジア警察がゴリに戻ったと述べた。
米政府高官は、グルジア、南オセチア、アブハジア自治共和国に進駐した露軍兵力は1万5千人前後と推定。武力衝突が始まる前は自治州での和平維持部隊を含め最大1万人だった。