英紙ガーディアン(電子版)は17日、米国政府が今年8月、核開発問題で対立するイランの首都テヘランに利益代表部を設けることを発表する、と報じた。ワシントン特派員電だが、情報の出所は明らかにしていない。
同紙によると、代表部設立に伴い、米外交官を常駐させる。これが事実なら、1979年の両国断交後、米外交官のイラン駐在は初めてとなる。両国は、イラン革命後、同国学生らがテヘランの米大使館になだれ込んで占拠、外交官らを1年余にわたって人質にした事件後、国交を絶っていた。
ガーディアンは、米国の利益代表部設置について核問題などでウラン濃縮活動を停止しない限り、イランとの公的接触を拒んできたブッシュ米政権の立場の大きな転換になるとも指摘した。両国関係では、ジュネーブで19日に開かれるイランとEU間の核協議に初めてウィリアム・バーンズ国務次官を派遣する案も浮上している。
ライス米国務長官は先に、テヘランの外国大使館の中に米利益代表部を設ける案の検討を進めることを承認していた。ただ、国務省高官は、案は初期段階にあり具体的な事は何も決まっていないとしていた。
イランのモッタキ外相はライス長官の方針を受け、両国間の接触は相互理解の向上につながると好感していた。
米国は現在、テヘランのスイス大使館の外交官に利益代表業務を依頼している。イランは、ワシントンのパキスタン大使館にイラン外交官を配置している。