国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は18日、中国チベット自治区で今年3月に起きた騒乱での拘束者1000人が依然として釈放されず、行方が分からないままになっているとの報告書を出したと言う。
アムネスティは、21日に予定される五輪聖火リレーのチベット入りを機に、中国当局が事態改善を図るべきだと主張している。
アムネスティのアジア太平洋地域担当責任者、サム・ザリフィ氏は声明で「チベットの人々は平和的に意見を述べただけなのに、獄中でつらい生活を送っている。家族が居場所を知ることもできない」としたうえで、「聖火リレーをきっかけに、現状に少しでも光を当てるべきだ」と呼び掛けた。
同氏はまた、中国当局が現在も外国メディアのチベット立ち入りを認めず、僧院や民家から携帯電話、コンピューターなどを没収して外界との遮断を図り続けていると指摘。「閉鎖状態の中では、拘束や監視などの人権侵害が報道されることも、罰せられることもない」と警告している。