新憲法を起草する制憲議会が今年5月下旬、王制廃止、共和制移行の決議を可決したネパール政局で、王位をはく奪されたギャネンドラ元国王の側近は政府に対し、元国王が11日、01年の就任以来、住んでいた首都カトマンズの王宮から退去すると述べた。
内務省当局者が明らかにした。
退去は、200年以上続いたシャー(グルカ)王朝が終えんする事を象徴的に物語る事になる。
制憲議会は5月末、元国王に王宮からの退去を要求。同時に、元国王の求めに応じ首都北西部の丘陵にある王室の夏用の別荘を使うことを許可していた。別荘の生活がいつまで続くのかは不明。元国王は退位後も国内にとどまるとみられる。
元国王は資産も国有化されているが、独占ビジネスに関与しているとされる。
ネパールでは同国王が05年2月に強権統治に踏み切った事に国民が反発。06年4月に大規模な反政府デモが起こり、民政に復帰していた。
制憲議会選挙では王制廃止派が大多数の議席を握り、06年の包括和平協定で武装闘争を停止したネパール共産党毛沢東主義派が第1党になっている。