先月の中国・四川大地震による校舎倒壊で死亡した学童・生徒の遺族100人余りが3日、当地での抗議活動中に警官隊に連行されたと言う。
遺族らは子どもの遺影を掲げて都江堰の裁判所まで行進し、損害賠償訴訟を起こす意向を示していた。連行される際、遺族の一部からは「なぜ」との叫び声が上がった。
現場で取材していたAP通信の記者とカメラマン2人も、警官隊によって裁判所内に連行された。日本の記者団も取材活動をしていたが、警官は遺族らに「日本人がお前たちについて悪いことを報道するぞ」と語っていたという。
地震で倒壊した校舎の教室は7000室前後。遺族らは校舎の耐震性不足の原因が、建設業者の手抜き工事にあると主張している。南方都市報が捜索救助関係者の発言として伝えたところによると、270人余りの生徒が死亡した都江堰近郊の高校校舎には、鉄筋が全く使用されていなかった。
こうしたなか、中国国営の新華社通信は、北川県の巨大なせき止め湖「唐家山ダム」の排水作業が、予定より2日間延期されたと伝えた。今後数日間は雨量が少ないと予想されているため、排水は5日から始まる見通し。避難者は既に20万人近くにのぼった。
また、被災地ブン川県で負傷者を搬送中に墜落したヘリコプターは依然発見されておらず、捜索活動が続いている。
公式発表によると、地震の死者は6万9019人、行方不明者は1万8000人余り。