ミャンマー(ビルマ)南部を直撃した大型サイクロンの被害で、世界銀行幹部は20日、救援、復興事業などのための融資は検討していない事を明らかにしたと言う。
世銀が供与した過去の融資の返済が完済しておらず、新規融資の規定に背くとしている。
ただ、ミャンマーが加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)は緊急外相会議で、国際支援をASEAN主導で調整することで合意しており、この側面支援での融資を考慮したいとしている。
軍政はこれまで、犠牲者総数は7万7738人、行方不明者は5万5917人と発表している。
また、サイクロン被害の総額は約100億米ドル(約1兆400億円)相当に達するとの見通しを示している。
死亡数については国際赤十字は最大で12万8千人、国連は10万人以上と推定、軍政の数字とかけ離れている。国連などは軍政の統計の手法への疑義も示している。赤十字は被災者160万人-250万人が絶望的な状況に追い込まれており、緊急に食糧、飲料水や避難施設が必要と訴えている。
被害の救援活動で軍政は、海外からの支援物資は概ね受け入れるものの、一部近隣諸国を除き、援助要員の入国は厳しく規制、国際社会の反発を招いている。救援活動が遅れる事で「二次災害」が発生、犠牲者がさらに増えるとの懸念も強いと言う。