地球温暖化と二酸化炭素排出量増加でユーカリの葉の毒性が強まり、豪のコアラは激減してしまうかもしれないと、シドニー大学の研究チームが7日、首都キャンベラで開かれたオーストラリア科学アカデミーの年次学術会議で研究発表を行ったと言う。
シドニー大学のイアン・ヒューム名誉教授(生物学)の研究チームは、コアラが主食とするユーカリの葉に二酸化炭素が与える影響について研究。温室内で二酸化炭素濃度が高まると、ユーカリの若木の葉の毒性が強まる事が分かった。
これは、ユーカリの葉に含まれる栄養素と、栄養の消化を妨げる有害物質「反栄養素」のバランスが、二酸化炭素によって変化するのが原因。二酸化炭素が増えると栄養素よりも反栄養素が生成されやすくなり、コアラにとっての毒性が強まるという。
ヒューム氏の予想では、世界の二酸化炭素排出量が現在のレベルで推移すると、豪のコアラは50年後には大幅に減少してしまう見通しだ。
「コアラは年に1頭しか子供を産まないが、ユーカリの葉の栄養価が落ちれば3、4年に1頭しか生まなくなるかもしれない」とヒューム氏は危惧している。
温暖化、ホント何とか食い止めないと・・・