南米コロンビアの部隊が1日、隣国エクアドルに越境して左翼ゲリラ、
コロンビア革命軍(FARC)の掃討作戦を実施した問題で、
米州機構(OAS)の常設理事会は5日、コロンビアが「エクアドルの主権および領土保全を侵害し、国際法に違反した」とする決議案を採択したと言う。
隣国エクアドルは越境攻撃を受けてコロンビアと断交し、ベネズエラもコロンビアとの国境地帯に部隊を配置するなどの対応を取った。決議はこうした域内の緊張緩和を図っている。OASは、インスルサ事務総長と各国大使4人から成る委員会をエクアドルとコロンビア両国に派遣し、問題解決の道を模索する。
コロンビア当局は越境攻撃を既に謝罪したものの、国家治安面の脅威への対策上必要であったと説明。また、ベネズエラのチャベス大統領がFARCに3億ドル相当の支援を実施したり、エクアドルの政府高官がFARCに接触していたことを示唆する記録が発見されたと述べた。
エクアドルのコレア大統領は、OASがコロンビアに対する「明確な非難声明」を発表しない限り不満だと発言。また、チャベス大統領は、FARC支援記録について「ねつ造」だとコメントした。
OASは17日の外相会議で、事実の検証や問題解決案の作成を行うとしている。
ゲーツ米国防長官は、コロンビアとエクアドル、ベネズエラの3カ国間で武力闘争が起きる可能性は極めて小さいとの見解を示した。