スーダンのバシル大統領は26日、デンマークの新聞が今月中旬、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を再掲載した事に抗議し、同国製品の輸入を禁止すると発表したと言う。
国営スーダン通信によると、禁輸は即座に発効したとの事。
大統領はまた、スーダン内で活動するデンマーク関連団体を追放するとも述べた。
人道援助団体を念頭に置いた発言とみられる。スーダンはイスラム教徒が多数派の国で、イスラム教では偶像崇拝を禁じている。
スーダンが輸入するデンマーク製品は乳製品などで、貿易総額から見た場合、少額となっている。
デンマーク紙の再掲載は2月13日で、同国治安当局が12日、ムハンマドの風刺画の作者を狙った暗殺テロを摘発し、容疑者を逮捕した事を受け、事件の本質を明確にし、言論の自由を守るためと動機を説明していた。
05年9月にデンマーク紙ユランズ・ポステンは05年9月、爆弾の形をしたターバンを巻いて導火線に火が付く姿のムハンマドの風刺画を掲載、イスラム教の過激派テロを想起させると批判を受けた。
この後、イスラム教団体などから非難が集中。
これに対し、デンマーク紙は翌06年にも「表現の自由」を守るためとして、風刺画を掲載。これをきっかけにデンマークはイスラム教国の激しい反発を受け、デモが頻発し、同国輸出品のボイコット、外交公館の放火などを巻き起こす国際問題となった。