セルビア大統領選は3日に決選投票を行い、現職で親欧米派のボリス・タジッチ大統領が、極右民族派・セルビア急進党のニコリッチ党首代行を破り、再選を果たした。
自由選挙民主主義センター(ベオグラード)の調査によると、EU加盟を目指すタジッチ氏の得票率は50.5%。かつて旧ユーゴスラビアのミロシェビッチ元大統領に近かった親ロシア派のニコリッチ氏は、47.9%にとどまった。
タジッチ氏もニコリッチ氏もコソボ自治州の独立に反対だが、2人は現実への対応方法が異なる。有権者はタジッチ氏再選を通じて、EU統合への支持を示した。親露派のニコリッチ氏は、EUがコソボ独立を支持した場合、EU加盟交渉を凍結すると主張していた。
EUと米がコソボ独立を支持する一方、露はコソボの一方的独立宣言に反対。
昨年12月、EUはコソボに1800人の治安部隊を派遣する事で合意。先週にはセルビアに対し、EU加盟への道を開く政治・経済・教育面の優遇措置を提示した。