米コロラド州の裁判所は22日、21年前の殺人事件で有罪判決を受け、9年余り前から収監されていたティム・マスターズ受刑者(36)の判決を無効とする決定を下したとの事。
マスターズ元受刑者はただちに釈放されたと言う。
事件をめぐっては、当時被害者の衣服から採取されたDNAを新たな技術で分析した結果、別の容疑者が浮上したとして、特別検察官が裁判のやり直しを求めていた。
判事はこれを受け、マスターズ元受刑者をあらためて裁く必要はないとの見方を示したうえで釈放を命じた。今後できるだけ早く、すべての罪状を取り下げる手続きに入るという。
マスターズ元受刑者は、支援者らの拍手と歓声に包まれて裁判所を出た。報道陣とのインタビューで弁護士らに感謝の意を表し、「家族に会いに行きたい」と語ってから、待機していた車に乗り込んだ。
事件では、当時15歳だった元受刑者の自宅近くで女性(37)の切断遺体が発見された。
元受刑者はナイフを収集していた事や、残酷な絵を好んで描いていた事などから疑いをかけられ、物的証拠のないまま、殺人罪で終身刑を言い渡されていた。