パキスタンのムシャラフ大統領は11日、今年2月18日に予定する総選挙で野党が大勝して国民議会(下院)の多数派となり、大統領弾劾に動いた場合、自ら辞任するとの考えを示した。AP通信によるとシンガポール紙ストレーツ・タイムズとの会見で表明。
同国憲法では、野党が下院の3分の2を握れば、大統領を弾劾することも憲法上、可能となる。総選挙では、暗殺されたブット元首相が率いていたパキスタン人民党(PPP)が、同情票を集め躍進するとの見方が強い。また、同党は、シャリフ元首相率いるパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PMLN)との共闘も模索している。
主要野党は総選挙に勝利した場合、ムシャラフ大統領の退任を求めるとの考えを明らかにしている。
大統領はまた、アフガン国境に近い北西辺境州で米が独自にアルカイダ掃討作戦を検討していると米紙が報じた問題に触れ、パキスタン政府の承認なしに米軍が領土内に踏み込んだ場合、「侵略者」としての対応を受けると述べた。
北西辺境州には国際テロ組織アルカイダの最高指導者、オサマ・ビンラディン容疑者らの指導陣が潜伏しているとの見方が強く、米国はこれまでパキスタン政府に同州内の武装勢力の一掃の掃討を迫ってきた。
米紙ニューヨーク・タイムズは先に、ブッシュ政権はCIAや米軍による同州での秘密任務の拡大を検討していると報じていた。