米メリーランド州アナポリスで27日に開かれる中東和平会議を前に、ブッシュ米大統領は26日夜、約40カ国・機関の代表団が出席した夕食会で、イスラエルとパレスチナが事態打開に向けて歩み寄る必要性を指摘した。
夕食会はライス米国務長官が主催した。ブッシュ大統領は乾杯のあいさつの中で、イスラエルとパレスチナに二国の平和的共存と言う共通目標があると述べ、双方の指導者に「難しい歩み寄り」が求められるだろうと述べた。
そのうえで大統領は、新たな中東和平プロセスの仲介に取り組む姿勢を示し、「過激派やテロリストはわれわれの努力が失敗することを望んでいる。しかしわれわれは自由や尊厳、繁栄の中で成長する中東と言う、より希望に満ちたビジョンを提示する」と述べた。
夕食会ではイスラム教徒の出席者に配慮して酒類が出されず、食事もユダヤ教やイスラム教の規定に沿った内容だった。イスラエルのオルメルト首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長は、ブッシュ大統領とアイスティーで乾杯した。
こうしたなかイスラエルのエルサレムでは、少なくとも1万人のユダヤ人入植者が和平会議への抗議行動を実施。パレスチナ自治区のガザ地区を制覇したイスラム原理主義組織ハマスも、和平会議の決定を受け入れない姿勢を強調している。