米が東欧で進め、露が激しく反発するミサイル防衛(MD)施設建設問題で、露軍幹部は14日、対抗措置として隣国ベラルーシに短距離ミサイルを配備する可能性に言及した。
露地上軍ミサイル部隊のザリツキー司令官が述べたもので、「MD問題のような行動は、対抗の行動を生む」と語った。米への新たなけん制とみられる。
米はMD計画で、チェコにレーダー施設、ポーランドにミサイル10基の配備を予定。イランなどによる欧州への攻撃を想定しているものだが、露はイランのミサイル技術の現状などから非現実的な脅威論と反論している。
また、MD推進は、露のミサイル抑止力の減少につながると反対している。ベラルーシはポーランドと隣り合っている。
露はこれまでMDへの対抗策として欧州通常戦力(CFE)条約の履行停止を表明している。同条約は、欧州各国が配備する通常兵器の上限を定めている。また、米国に対しアゼルバイジャンにある露軍のミサイル警報センターの共同使用も対案として示したが、米側の支持は得ていない。
一方、ゲーツ米国防長官は10月下旬、イランの脅威の明瞭な証拠が得られるまでMDの実戦態勢を敷かない事を検討するとの妥協案を露側に示したものの、基地建設は当初の予定通り進めるとしていた。
どんどん両国の関係は悪くなりそう・・・