国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は21日、戦闘が依然頻発するイラクから経済先進諸国へ避難するイラク人難民の数が07年に激増したとの報告書を発表した。
今年6月までの上半期で、先進諸国へ亡命申請した難民は約1万9800人で、前年同期比では50%増以上。
昨年下半期と比べ45%増。この状態が続けば、今年通年の亡命申請者の数は00年から02年の間にみられた4万人-5万人の水準に達する可能性があるとしている。
報告書は、先進諸国36カ国のデータを基にしている。今年上半期の難民受け入れ国では、スウェーデンが約9300人で首位。同国では既にイラク人社会が形成され、親族、血縁のネットワーク構築もあり、新たな難民を引き寄せる要因になっているという。
他国では、スペインが1500人、ドイツが820人を受け入れた。ギリシャへ亡命申請したのは3500人で、昨年通年の1400人から激増している。
同事務所によると、戦火のイラクを逃れ、国外に逃避したイラク人は約220万人。大部分はシリアとヨルダンに滞在している。
シリア国境付近への退避者は平均で1日当たり約2000人に達すると言う。この状態を受け、シリア政府は9月初旬、ビザ発給の規制強化を打ち出しているとの事。
イラクの人達が、亡命とかしなくても、平和になって暮らせる様に願いたいですね。