イラク中部カルバラ市内のイスラム教シーア派聖地付近で28日、自動車爆弾が爆発し、少なくとも58人が死亡、100人以上が負傷した。自爆テロと見られている。内務省が明らかにした。
現場はシーア派聖地イマーム・フセイン廟とイマーム・アッバス廟の中間地点で、人々が夕方の礼拝に向かう時間帯に事件が発生。大勢の住民は警備が不十分だったとして警察当局を強く非難しており、投石があったとの報告もある。
首都バグダッドとは異なり、カルバラでは武装勢力の攻撃が連日発生していないものの、時折大規模な事件が起きている。今月14日には自動車爆弾事件で44人が死亡、多数の負傷者が出た。
一方、対米強硬派のシーア派聖職者サドル師を支持するイラク国民議会議員は、同師がブッシュ米大統領にあてた書簡を代読した。同師はこの中で、「無謀な行動で東洋における西洋人の評価を台無しにした」として、ブッシュ大統領を厳しく非難。また、イラク人がなぜ米同時多発テロを理由に苦しまなければならないのかと疑問を投げかけ、米国のテロ対策がイラク国内のテロを誘発したとの見解を示した。