ゲーツ米国防長官は11日、イラクに派遣された米陸軍兵の駐留期間を、従来の1年から1年3カ月に延長し、即日実施すると発表した。駐留を延長する代わりに、米国帰還から次の派遣までの期間を1年間とするらしいです。
ゲーツ長官は駐留延長について、イラクとアフガニスタンへの派兵で陸軍が限界を超えたことの表れとの見方を否定。兵士の採用や残留をめぐる目標を達成していると強調したが、米軍が各地の紛争で酷使されていることは認めた。
長官はまた、駐留延長が発表前の10日に報道機関に漏えいしたことを批判し、当局が決定について48時間前に米軍に通知することを希望していたと述べた。
イラク駐留米軍は14万6000人規模とみられ、駐留延長はこの大多数を占める米陸軍兵に適用される。駐留1年以上の米兵を対象とする月1000ドルの給与上積みは継続。州兵や予備役の駐留期間は1年のまま据え置かれる。
また、ペース統合参謀本部議長によると、米海兵隊の駐留期間は従来通り7カ月。
イラク戦費をめぐる補正予算案をめぐってブッシュ米大統領との対決姿勢を強めている民主党は、ゲーツ長官の発表を受けてイラク政策の転換をあらためて要求。ペロシ米下院議長は「イラク駐留延長は、米軍部隊と家族にとって受け入れ難い代償だ」と述べ、イラク情勢改善策の模索に向けた協議を大統領に呼びかけた。