イラン女性が姦通(かんつう)罪で石打ちによる死刑を言い渡された問題で、女性を擁護する公開書簡を送ったサルコジ仏大統領夫人のカーラ・ブルーニさんに対し、イラン保守系紙が「売春婦」などと非難する記事を掲載した。
8月28日付のケイハン紙は、ブルーニさんの書簡送付を「フランスの売春婦が人道騒ぎに介入」との見出しで報道。さらに31日付の紙面では「不倫の前歴とこの女性への支持から考えて、(ブルーニさんは)処刑されるべきだ」と主張した。
イラン外務省の報道官は31日の週例会見でこの報道について問われ、「わが国は他国の政府を侮辱し、不適切な言葉を使う行為を認めない」「報道機関が他国の政策や姿勢、当局者のコメントを批判し、反対を表明することはできるが、侮辱的な言葉を投げるのは正しいことではない」と述べた。
一方、フランスの外務省報道官は同日、ケイハン紙のコメントは「容認できない」として、外交ルートを通して抗議する構えを示した。
ブルーニさんはウェブサイト上に公開した書簡で、イラン女性に同情を寄せ、「私の夫があなたの言い分を確実に訴えていく。フランスはあなたを見捨てない」と語り掛けていた。