イスラム教断食月(ラマダン)の最初の金曜礼拝のために多くのイスラム教徒がエルサレムに集結するのに伴い、イスラエル当局は暴動の勃発を避けるためにエルサレムとその周辺に3000人の警察官を配備する態勢をとった。
特に、過去にイスラエル人とパレスチナ人の衝突現場となったエルサレム旧市街のアル・アクサ・モスク周辺の警備が強化される。ただ、ユダヤ人にとっては「神殿の丘」、イスラム教徒にとっては「ハラム・アッシャリーフ」として知られるモスク周辺の聖地への立ち入りは制限されないという。
しかし、ヨルダン川西岸からのエルサレムへの立ち入りは一部制限されている。イスラエル国防軍(IDF)によると、立ち入りが制限されるのは、パレスチナ人の50歳未満の男性と45最未満の女性で、イスラエル人イスラム教徒は対象外という。
アル・アクサ・モスク周辺では、3月に発生した暴動で数十人が負傷した。この暴動は、イスラエルがヨルダン川西岸の2カ所の宗教古跡を宗教的文化遺産として登録する決定を下したことに対し、パレスチナ人が反発したのが原因だった。
その翌週にも、イスラエル当局はヨルダン川西岸にユダヤ人入植者向けの新たな集合住宅を建設する計画を発表した上でヨルダン川西岸を封鎖し、エルサレム旧市街周辺の警備を強化した。またイスラエル警察は、礼拝者が金曜礼拝のためにモスクに立ち入ることも禁じた。