イランで姦通罪に問われた女性(42)の石打ちによる死刑が確定した問題で、人権活動家らが刑の執行を阻止しようと、国際的な反対運動を呼び掛けている。
石打ち刑、死刑への反対を訴えるイラン人活動家で1980年代に国外へ逃れたミーナ・アハディ氏は4日、CNNとのインタビューで、法的手続きはすべて完了し、死刑はいつ執行されてもおかしくない状況だと指摘。そのうえで、女性の命を救う唯一の道として、国際人権団体や個人が幅広い反対運動を展開し、イラン当局に圧力をかけるべきだと主張した。
女性は同国北部タブリズ在住。06年に不倫の罪で有罪判決を受けた。その後自白を撤回、不法行為はなかったと主張したが、証拠がないまま死刑を言い渡され、07年には最高裁もこの判決を支持した。女性の息子と娘は執行停止を求め、裁判所に嘆願書を出している。
同国で石打ちの刑に処せられるのは女性が圧倒的に多い。アハディ氏によれば、夫が結婚生活から抜け出そうとして、妻に罪を着せるケースも後を絶たない。
担当の人権派弁護士によると、女性はアゼルバイジャン系で、公用語のペルシャ語ではなくトルコ語を話すため、裁判での審理を十分に理解できなかった可能性がある。石打ち刑は一般市民らからの非難を恐れ、非公開で執行されるとみられる。
同弁護士自身も、昨年6月の大統領選後に収監された経験を持つ。この女性を支援し、人権擁護を主張することにはリスクが伴うが、それで思いとどまるつもりはないと話している。