アフガニスタンのカルザイ大統領とアフガン駐留米軍のトップ、マクリスタル国際治安支援部隊(ISAF)司令官は13日、南部カンダハル州で地元の部族指導者らを集めた会合を開き、同州で計画している反政府武装勢力タリバーンの掃討作戦への理解を訴えた。両氏は指導者の支持を取り付けたとの認識を示している。
マクリスタル司令官が、カルザイ大統領と治安責任者らを同州へ案内した。大統領は部族指導者約3000人の前で、治安回復と汚職排除への熱意を語った。またタリバン戦闘員に「平和」を呼び掛け、「同胞や子どもたち、罪のない人々を殺してはならない。(国際テロ組織)アルカイダやテロリストから離れてほしい」と述べた。
同州はタリバンの本拠地となっている。今春カルザイ大統領が別の作戦案を打ち出し、地元に拒否された経緯がある。マクリスタル司令官は「過去の経験から、作戦を成功させるためには事前に部族指導者らの同意を得ることが必須だとの教訓を得た」と述べた。
会場で耳を傾けた指導者らからは、カルザイ大統領の作戦実行能力を疑問視する声が上がる一方、「大統領は支持するが、米国の関与は認めない」といった意見も出た。
カルザイ大統領は作戦開始の時期を明言していない。作戦はアフガン軍が主導し、米軍は補助に回るとも伝えられている。