3月の韓国哨戒艦沈没事件をめぐり朝鮮半島情勢が緊迫する中、日中韓首脳会談を終えた中国の温家宝首相は30日、朝鮮半島における平和の維持と武力衝突の回避が重要との考えを表明した。韓国の聨合ニュースが報じた。
温家宝首相は聨合ニュースに「北東アジアの平和と安定を推進するため、あらゆる努力が必要だ」としたうえで、責任を持って問題に対処し、政治的信頼関係を強化するべきだと述べた。温首相は、北朝鮮に直接言及しなかった。
韓国政府は先に、同国哨戒艦が北朝鮮の魚雷攻撃で沈没したとする調査結果を発表、この問題を国連安全保障理事会に提起する意向を明らかにしている。国連での対北朝鮮制裁決議には、安保理の常任理事国である中国の協力が不可欠とされるが、北朝鮮の最大の援助国である中国は、この問題に対しどのような姿勢をとるかを明確にしていない。
日中韓首脳会談に先立ちソウルで28日に行われた中韓首脳会談でも、温首相は哨戒艦事件の調査結果を支持するのかどうか、明確な態度を示さなかった。