アフリカ東部ソマリアの反政府武装勢力アルシャバブが海賊と対立し、海賊の拠点に進攻している。首都モガディシオでは暫定政府軍との戦闘で死傷者が出た。地元ジャーナリストらが25日に明らかにした。
海賊と接触のある地元ジャーナリストによると、海賊の拠点が集中する沿岸部の町ハラデレにアルシャバブが進攻した。海賊側は最近、アルシャバブに供給するための武器を積んだイエメンからの船を乗っ取り、同勢力への資金提供もやめていたという。アルシャバブがハラデレに迫った時点で海賊は逃走したとみられる。
海賊警戒のためソマリア沖の海域に展開する欧州連合(EU)多国籍海軍司令部は、状況を把握していないとしている。イエメンがソマリアへの武器供給源になっていることは、国連が報告書で指摘していた。
一方、首都モガディシオでは同日、アルシャバブと政府軍の衝突があり、救急隊によると少なくとも10人が死亡、40人が負傷した。目撃者の話では、暫定政府軍がアルシャバブ戦闘員の待ち伏せ攻撃を図り、砲撃戦となった。
アルシャバブはソマリア南部を支配するイスラム武装勢力。国際テロ組織アルカイダとつながりがあるとされ、米政府がテロ組織に指定している。