反政府デモが続いているタイの首都バンコクで19日、国軍が主要道に約1500人の部隊を配備し、新たな衝突に向けた緊張が高まっている。軍関係者が明らかにした。
タクシン元首相派の「反独裁民主統一戦線(UDD)」、通称「赤シャツ隊」は議会の即時解散と総選挙の実施を求めて反政府集会を続けている。これに対して軍は現地時間の19日午前3時ごろ、金融街の中心にあるシーロム通りに部隊を展開し、緊張が高まった。
今月に入って起きたデモ隊と治安部隊の衝突では、救急医療関係者によれば少なくとも23人が死亡、850人上が負傷している。
16日には治安部隊がデモ隊幹部3人を逮捕するためホテルを取り囲んだが取り逃がす事態も発生。これを受けてアピシット首相は治安維持に関する権限を国軍に完全委譲し、デモ制圧に乗り出す構えを見せている。