リビア政府は27日、欧州諸国に対する入国査証(ビザ)制限を解除したと発表した。欧州連合(EU)による同様の措置を受けた決定。EU議長国を現在務めるスペインは26日、モラティノス外相をリビアに派遣、ビザ制限の解除を発表していた。
スイス政府は昨年、自国のビジネスマンがリビアで脱税容疑で逮捕、禁固刑判決を受けたことなどに反発、EUに対しリビア人のビザ発給停止を要請していた。スイスは、EU加盟国ではないが、欧州域内の出入国審査を免除するシェンゲン協定にも加わっている。
リビアはこの後、同協定加盟国の市民に対するビザ発給を制限していた。
スイスとリビアの関係は08年7月、リビアの最高指導者カダフィ大佐の息子が使用人の虐待などでスイス・ジュネーブで逮捕されたことがきっかけで悪化。リビアでは、スイス船舶、航空機の寄港禁止、同国製品のボイコット運動も起きていた。
モラティノス外相は今回のビザ制限の相互解除で、収監されているスイス人ビジネスマンも早期に帰国出来るとの見通しを示した。