国防総省当局者は1日、同性愛が原因で除隊などを強いられた兵士は過去約12年で約1万1000人に達することを明らかにした。
米軍では、同性愛者を軍から排除する政策があったが、クリントン政権時代の93年、同性愛者であっても、そのことを公言しない限り軍務に就くことを容認する「言わない、聞かない」と呼ばれる方針に変更していた。
国防総省当局者によると、この方針が導入後、軍内では同性愛者を締め出す雰囲気が退潮したという。オバマ大統領は昨年1月の就任後、軍での同性愛者差別を解消させる方針を表明、先の一般教書演説でも公式宣言していた。
米上院軍事委員会は2日に、米軍の同性愛問題に関する公聴会を開く予定。ゲーツ国防長官、米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長が出席し、廃止へ向けた見解を示す。軍内では概ね、同性愛者公認の支持に傾斜しているが、海兵隊のコンウェー司令官は判断を留保している。
ゲーツ長官は、軍内での同性愛差別の廃止は、段階的に、注意深く実施する必要性があると強調している。国防総省当局者によると、同性愛者用の兵舎を設けたり、軍内で起きると懸念される憎悪犯罪対策を講じる必要があるとしている。