イランの警察当局が近ごろ起こった反政府デモで学生らを逮捕した後、女性に義務付けられている全身を覆う黒い「チャドル」を着た男性容疑者の1人の写真を公開したことから、国内外で反政府派の男性が女性が着用するスカーフなどをかぶった写真を掲載する活動を始めている。
反政府派によると、逮捕された22歳の男性写真は、当局が「おとしめる」ためにねつ造したものだと非難している。また、ファルス通信が写真掲載時に、男性と全く関係のないイラン初代大統領アボルハサン・バニサドル氏の写真を並べたことにも非難が集まっている。亡命中のバニサドル氏はかつて、当局からの逮捕を逃れるため、女性服をまとったとされている。
米コロンビア大学のイラン研究者ハミド・ダバシ教授は13日、CNNに対し、容疑者の写真などは当局による脅迫的な行動だと主張。同教授も女性用スカーフで頭部を覆った姿を見せ、「(イラン政府は)男性をおとしめる手段として、まるで女性であることが悪いことの様なやり方を使っている。だから、私たち(男性)が女性の服装をすることで、女性にもチャドラやスカーフには何ら悪くはないと訴えられる」と話している。
逮捕された男性を支援するため作られた、インターネットのソーシャル・ネットワーキング・サービス「フェイスブック」のページには、支援のためスカーフなどの着用を呼び掛ける投稿が寄せられている。