チェコのクラウス大統領は3日午後3時、EUの新基本条約「リスボン条約」の批准文書に署名したと発表した。条約発効はEU加盟国全ての批准が条件。チェコはEU唯一の未批准国だったが、憲法裁判所が同条約が違憲ではないとの判断を示したことで、批准への最後の障壁が取り除かれた。
クラウス大統領は声明で、個人的には同条約に賛成していないものの、憲法裁判所の判断を尊重すると述べた。大統領は、第二次世界大戦後に当時のチェコスロバキアが国外追放したドイツ人から土地返還を請求される可能性があるとして同条約批准に反対していたが、先週一部適用除外を認められた。
リスボン条約は27カ国に拡大したEUの効率的運営を図るもので、大統領職や外相職を創設し、理事会の表決方式で多数決制を拡大する。