パキスタン軍が16日、北西部にある政府直轄部族地域の南ワジリスタン地区で開始したイスラム過激派「パキスタン・タリバン運動(TTP)」の掃討作戦で、軍当局者は同日、交戦で敵戦闘員十人以上を殺害、兵士4人が死亡したと述べた。兵士12人が負傷している。
軍は、空軍機の支援を受け、地上軍を進軍させ、TTPのハキムラ・メスード司令官が拠点を置く要衝のコトカイ村を制圧した。他の3村落にも戦闘機、武装ヘリコプターによる空爆を加えた。
掃討作戦には兵士約2万8000人が参加、今後数カ月間にわたって攻撃を仕掛けるとみられる。ただ、険しい山岳地帯での作戦のため難航することも予想される。南ワジリスタンに潜伏するTTPや国際テロ組織アルカイダ系の戦闘員は1万5000人とも推定される。アルカイダのナンバー2、ザワヒリ容疑者の潜伏も指摘されている。
国連によると、今回の作戦を予想し、南ワジリスタン地区からは既に数万人規模の住民が退避している。