中国と所有権を争うインド北東部の国境紛争地アルナチャルプラデシュ州を今月初め、シン首相が選挙運動で訪問したことを受け、中国外務省の報道官が不満の声明を発表したと言う。インド側もすぐに反論を表明、首相訪問の正当性を主張した。
中国外務省報道官は、シン首相の同州訪問に対し、「シン首相の同州訪問には非常に落胆した。インドと中国の関係発展のためにも、今回の訪問を中国が深刻に懸念しており、争いの種を蒔くようなことは慎んでいただくよう厳粛に求める」と述べた。
これを受け、インド外務省側は「アルナチャルプラデシュ州はインドの一部である」と指摘。両国政府がこの問題について話し合っているとして、「こういった表明が中国側から出されることに落胆している。問題解決に向け壁になる」と反論している。
アルナチャルプラデシュ州はインド北東部にある面積約9万平方キロの州。1962年に国境紛争が起こっている。