仏、スイス国境で世界最大の素粒子実験施設「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」を運営する欧州合同原子核研究機関(CERN)は9日、同施設で働く研究者の男がテロ組織と接触していた疑いで仏国内で逮捕されたとの声明を発表した。
米国のテロ対策当局者は、男はアルジェリアに拠点があるテロ組織「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」と連絡を取っていたと述べた。米国は同組織をテロ団体に指定している。同当局者は、容疑者はテロの実行役ではなくアルカイダ思想の扇動者ともみられると指摘した。
ただ、フランスのオルトフー内相は逮捕で最悪の事態を免れたと述べており、容疑者が何らかのテロ謀議に関与していた可能性を示唆した。
CERNは声明で、物理学者の容疑者はテロに用いられるような研究業務に関与していなかったと述べた。また、男は同機関の職員ではなく外部団体との契約に基づき、研究に当たっていたとも語った。03年からLHCで働いていた。
フランスの内務省当局者は、逮捕は予防措置の一環として実行されたと述べた。容疑者の兄弟も逮捕されたとしている。2人は、アルジェリア系フランス人との情報がある。
LHCでは陽子同士の衝突で、巨大な衝突エネルギーを発生させる実験などを実施している。
テロ集団に渡ったら終わりだよね