旧ユーゴスラビアの人道犯罪を裁くオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICTY)は20日、イスラム系住民100人以上を生きたまま焼死させた罪で、セルビア人の被告2人に有罪判決を言い渡した。
判決を言い渡されたのはミラン・ルキッチ被告と、いとこのスレドイェ・ルキッチ被告。起訴状によると、旧ユーゴスラビアで民族紛争が激化していた1990年代初め、ミラン被告は警察や軍部が絡む民兵団を組織し、警察官だったスレドイェ被告は後にこれに加わった。
ミラン被告は女性や子供を含むイスラム系住民を家の中に閉じ込めて火を放ち殺害したなどとして、6件の起訴事実について人道に対する罪などで有罪判決を受け、終身刑を言い渡された。
スレドイェ被告は火を放たれた家から逃げようとした人を射殺したとして犯罪ほう助や殺人などの罪に問われ、30年の禁固を言い渡された。2人はいずれも無罪を主張していたが、裁判所は犯行を裏付ける証拠があると判断した。
ICTYは設置以来これまでに、161人が起訴されている。