米政府が行方を追う国際テロ組織アルカイダのナンバー2、アイマン・ザワヒリ容疑者と名乗る人物は15日、イスラム過激派系のウェブサイトに音声の声明を掲載し、イスラム強硬派勢力タリバン系の掃討作戦が実施されるパキスタン情勢に触れ、同国国民に対し武装勢力を支援するよう促した。
ザワヒリ容疑者当人なのかは不明。
声明は、パキスタンへの米国の介入は強化されているとし、イスラム教徒は聖戦を支持する宗教的な責務ががあると主張している。手をこまねいていれば、パキスタンやアフガニスタンの将来を破壊することになるとも述べた。
パキスタン軍は今年4月下旬からパキスタン北西辺境州、政府直轄部族地域でシャリア(イスラム法)適用を求め勢力を拡張するタリバン系勢力の掃討作戦を本格化させている。北西辺境州では一定の成果を挙げ、作戦の重心は部族地域に移っている。
ザワヒリ容疑者とする人物が声明を出すのは今年の6月2日以来のこと。前回の声明では、オバマ米大統領による中東訪問を批判していた。同容疑者はアフガニスタンに潜伏しているとの見方が有力。アルカイダ最高指導者のオサマ・ビンラディン容疑者についてはパキスタン内相が最近、活動の兆候が見られず、死亡している可能性があると述べていた。