イラクの小学校の半数近くは衛生状態に問題があることが、イラク政府などが10日にまとめた調査で分かった。調査はイラク保健省、教育省などがWHOと共同で実施し、07年から08年にかけて国内8行政区の小学校150校の実態を調べた。
その結果、安全で健康な教育のための環境基準を満たしていない学校が48%に上った。
63%は飲料水の検査を実施しておらず、水が原因で児童に健康被害が出る恐れがあることも判明。65%は政府の水道網から水の供給を受けているが、多くは水道管に漏れがあり、水質汚染の危険があるという。
児童の健康状態については、貧困地域の学校ほど栄養失調や慢性病、心の問題を抱える児童が多いことが分かった。
イラク健康相はこの調査について「国内の小学校の改善に取り組むきっかけになる。すべての子供は安全かつ健康的な環境で教育を受ける権利がある」コメントしている。