H1N1型インフルエンザの感染が世界各地で拡大している問題で、バイデン米副大統領が4月30日、飛行機などの乗り物の利用を避けるよう呼び掛けたともとれる発言をして波紋を呼んだと言う。ホワイトハウスのギブズ報道官は同日、「症状のある人は、という意味だ」と釈明した。
副大統領はNBCの番組で、家族に「今は閉め切られた空間で移動しないように」と話したと発言。感染の危険を抑える観点から、「ほかの移動手段があるなら地下鉄に乗るのは勧めない」とも述べた。さらに、「野原の真ん中にいる時だれかがくしゃみをするのと、秘めきった飛行機や車、教室の中にいる時とは訳が違う」などと語った。
公共交通機関は危険だと警告した格好になったが、副大統領事務所はただちに、「すでにインフルエンザのような症状が出ている人に向けた言葉だった」との声明を発表。ギブズ報道官も「発言は承知している。副大統領が言いたかったのは、体調の悪い時は念のため移動は控えるべき、ということだ」と説明し、「不安を感じた人がいれば謝りたい」と述べた。