金融危機の中で英国政府から公的資金注入を受け、経営再建中の銀行大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のハンプトン新会長は3日、追加の人員整理を検討することを表明、同時に多額の年金受領が表面化し批判の矢面に立っているグッドウィン前最高経営責任者(CEO)が自主的に年金削減を考慮していることを明らかにした。
人員や年金の削減の幅には触れなかった。新会長は声明を出して、同銀の窮状について謝罪を表明し、責任は前CEOなど経営陣にあるとの見解を示した。RBSは昨年10月、経営悪化を受け、政府から金融支援を受け、前CEOはこの後に辞任していた。
同銀は今年2月、英企業としては過去最高の年間赤字を発表もしている。前CEOに与えられる年間の年金は終身で総額約65万ポンド(約9500万円)とされ、ブラウン英首相ら政府首脳も批判していた。
スコットランドの中心都市エディンバラにある前CEOの自宅が襲われ、窓ガラスと、停めてあったメルセデス・ベンツ製リムジンの窓ガラスが割られる事件も起きている。グッドウィン氏は年金問題で、辞任後に契約上、保証されていた特権を既に多く放棄しているとの理由で、年金を辞退する考えはないことを明らかにしていた。