スリランカ政府軍と戦闘を続ける少数派タミル人の武装組織「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)が22日、国際社会による停戦の呼び掛けに応じ、和平交渉に入る用意があるとの声明を発表した。
ただし条件として、タミル問題の政治的解決を求めていると言う。
声明は、LTTEの政治部門を率いるナデサン氏が発表。戦闘による「人的被害を終わらせる」ため、「停戦が和平交渉に発展し、民族紛争の政治解決へ向かうことを望む」と表明した。
同氏は一方で、タミル人が「今世紀最悪の大量虐殺」に遭っていると主張。「タミル人の安全はLTTEの武器によって守られている。国際社会の支援、保証のもとに永続的な政治解決が実現すれば、武器はその時点で不要になるだろう」と述べ、当面は武装解除の意思がないことを示唆した。
政府軍は今年に入り、北部を中心とするLTTE支配地への攻勢を強めている。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は先週、政府軍が「病院や安全地帯とされる区域」を攻撃し、民間人を「無差別」に殺害していると非難する報告書を発表した。HRWは一方で、LTTEによる民間人の連行なども指摘。同報告によれば、民間人の死者は2000人、負傷者は5000人を上回っているとみられる。