旧政権勢力のタリバンの攻勢が目立つアフガニスタン情勢で、国連は17日、同国内での戦闘に巻き込まれた一般住民の犠牲者数が08年、前年比で40%増の計2118人となったと報告した。01年末の米英主導の軍事作戦後、最悪の記録との事。
うち、55%はタリバンが仕掛けた戦闘によるもので、残りは米軍などの外国軍、アフガン軍の作戦に伴うもの。
報告書は、戦闘が発生した地域で第3者による死傷者の調査結果に基づくとしている。
これによると、タリバンの自爆テロ、路上爆弾の犠牲者が1160人。
ほとんどがタリバンの拠点となっているアフガン南部で発生している。NATO主体の国際治安支援部隊(ISAF)、米軍、アフガン軍の攻撃が原因の犠牲者は828人。多数が夜間の発生で、誤爆や誤射も大きな要因になっているとみられる。
犠牲者総数には援助関係者38人が含まれる。07年比でほぼ倍増の水準。武装勢力による拉致の被害者は147人となった。