アフリカ南部、ジンバブエで昨年8月以降、一気に広まったコレラ感染で、WHOは27日までに、これまでの死亡者は2971人に達し、3000人の大台に迫っている事を明らかにした。
感染者は5万6123人。WHOが1月22日時点で公表した犠牲者数は2755人だった。
ジンバブエでの雨期は1月、2月がピークで3月下旬に終わる。このためコレラ患者がさらに増える恐れもあると言う。
ジンバブエで長期独裁政権を敷くムガベ大統領率いる政府は先月、コレラ流行を受け、非常事態宣言を発していた。
ただ、コレラ禍は同国政府の保健政策の無策が大きな原因となっている。政府は、コレラまん延は植民地統治の弊害とも論点をすり替え、国際社会の批判を集めたこともある。
コレラ被害は同国全土に広がっており、隣国の南アフリカにも影響が及び始めている。ジンバブエの首都ハラレですら上下水道が整備されておらず、感染拡大が収まる気配もない。ジンバブエは経済が崩壊状態で、野党締め付け、人権侵害で政治混乱も続き、国際社会は経済制裁も打ち出している。