F1はウィリアムズを失う可能性もあった?

　　昨今のF1におけるコスト削減の方向性がなければ、F1界はウィリアムズを失っていたかもしれないと言う。

グローブを拠点とし、コンストラクターズ選手権を9度、ドライバーズ選手権を7度制した古豪チームだが、CEOを務めるアダム・パーは『Financial Times（ファイナンシャル・タイムズ）』に資金の借り入れが限界状態だったことを明かしている。

「さらなる借り入れが取締役会で認められないほどのところまで来ていたと言わざるを得ないと思う」

F1最高権威のバーニー・エクレストンは同紙に対し、ウィリアムズに1,500万ユーロ（約17億3,00万円）以上を前払いしたと明かした。

また、新コンコルド協定にサインしても構わないというチームには増額された商業収益と04年から07年の差額がボーナスとして支払われるという。

「これは（ウィリアムズに対する）前払いだ」と説明するエクレストン。

「彼らがコンコルド協定にサインすれば過去の分配金の支払いを受けることができる。われわれは今支払おう、と言っておるのだ」

ウィリアムズの創設者で共同オーナーでもあるサー・フランク・ウィリアムズ代表はチームが「財政的なプレッシャー」を受けていると認めており、世界的な経済危機に対するF1の反応が重要だったと語る。

06年以降、ウィリアムズは自動車メーカーの支援なしで参戦を続けており、先ごろポルトガルでお披露目された新車FW31には一握りの著名なスポンサーの名前があるだけだった。

「われわれは毎年利益をあげる必要がある」と述べたウィリアムズ代表は次のように続けている。

「われわれはここ2年か3年ほどは損失があった、そう思うが、それを管理する蓄えとリソースがある」