パキスタン軍当局者は11日、アフガニスタンと国境を接する北西部の政府直轄部族地域で10日夜から11日未明にかけ、数百人規模の武装勢力が軍検問所などを襲撃して交戦が起き、計46人が死亡したと述べた。
死亡者は戦闘員が40人、軍兵士が6人。
武装勢力による軍への攻撃としては近年で最大規模としている。今回攻撃した武装勢力の正体は不明だが、米国は部族地域をアルカイダ、アフガンの政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバーンの支配地と呼び、パキスタン政府に対策強化を求めている。
パキスタン政府は数万人規模の兵力を部族地域に配置しているが、武装勢力の活動を抑制するまでには至っていない。
交戦が起きたのは国境線上にある軍監視所など。軍報道官によると、武装勢力戦闘員はアフガン側から越境し、ロケット弾や機関銃、迫撃砲弾などで攻撃を仕掛けた。パキスタン側の同調勢力も参加したとの情報がある。軍が応戦した後、戦闘員は退却したという。
両国は約2400キロにわたって国境を接している。米軍が行方を追うアルカイダ最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者やタリバン指導者のオマール師が周辺に潜伏しているともされる。
アフガン政府はこれまで、パキスタン部族地域に拠点があるイスラム武装勢力がアフガンへの越境攻撃を自由に行っているとパキスタン政府の監視不足を非難してきた。