スリランカの少数派タミル人の反政府武装勢力「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」は17日、同国北部で16日、政府軍と激しい戦闘が起き、政府軍兵士130人を殺害、300人を負傷させたと述べた。LTTE寄りのウェブサイト「タミル・ネット」で表明した。
ただ、政府は16日、この戦闘でLTTE戦闘員120人を殺害、軍兵士の損失は20人と発表し、数字が食い違っている。双方は過去の衝突でも、敵側の死傷者数を過大に発表している。
スリランカ政府は過去数カ月間、LTTEが活動する北東部の制圧を目指し、攻勢を掛けている。16日の交戦は、LTTEの政治的な本拠があるキリノッチをめぐる攻防とみられ、同地から数キロ離れた複数の地点で激戦を交わしたとみられる。
LTTEと政府との停戦合意は今年1月に破棄され、これ以降、政府は軍事攻勢を強めている。LTTEは爆弾テロなどで応酬している。LTTEは北東部の分離独立を目指し、1983年ごろから武装闘争を激化させている。戦闘での犠牲者はこれまで6万5千人以上とされる。