ギリシャ国内2カ所でで6日夜、16歳少年が警官に射殺された事件を契機に大勢の若者が暴徒化し、警官隊と衝突したと言う。
複数の目撃者によると、午後9時頃アテネの旧市街で若者のグループがパトロール中の警察車両に投石し、警官が3発発砲したところ、銃弾が少年の胸部に命中。警察によると、車両に乗っていた警官2人は車外に出て30人前後の若者グループに応戦したという。テレビ報道によると、少年は搬送先の病院で死亡が確認された。
事件を受けて何百人もの若者が暴徒化し、他の警察車両に石や火炎びんを投げつけた。警官隊は暴徒らに催涙ガスを発射する一方、現場一帯の飲食店から人を避難させ、道路を封鎖した。数時間後、暴徒らは少なくとも3つの集団に分かれ、衝突は一時中断。しかし7日午前零時過ぎに騒乱が再び始まり、アテネ市内中心部に拡大した。
北部テッサロニキでも若者の集団が警官隊と警察を襲撃し、道路を封鎖した。少なくとも1人が逮捕されたが、死傷者の報告はない。インターネットのウェブサイトには、アテネとテッサロニキ、クレタ島イラクリオでの抗議活動参加を呼びかけるメッセージが投稿されていた。
アテネの警官2人は地域担当の警察署長とともに停職処分となった。パブロプロス内相は遺憾の意を表明するとともに、警官側の勤務態度に問題があった場合は見せしめとして処罰する方針を明らかにした。