パキスタンを訪問しているペトレイアス米中央軍司令官は3日、同国のザルダリ大統領、ギラニ首相らと会談した。同司令官はCNNとのインタビューで、パキスタン側から、アフガニスタン駐留米軍の越境攻撃に対する抗議があったことを認めた。
イラク駐留多国籍軍司令官を務めたペトレイアス氏は10月31日、中央軍司令官に就任したばかり。初の国外訪問先として、「対テロ戦での重要なパートナー」と位置付けるパキスタンを選んだ。
同司令官はパキスタン政府、軍指導者らとの一連の会談について、「一部から明確なメッセージがあった。共通の目標を目指すパートナーとして、はっきりと受け止める必要がある」と述べた。越境攻撃の問題は米軍側から切り出し、「非常に率直な対話ができた」という。また、パキスタン北西部部族地域で活動する過激派勢力の脅威を同国指導者らが認識し、「真剣に取り組もうとしていることが確認できた」と強調した。
同司令官はさらに、この地域での対テロ戦に要求されるものは大きいとの見方を示し、米軍が今後、アフガンへの増派を発表する可能性を示唆。一方で、武装勢力との戦いに「殺害や拘束だけで勝つことはできない」と述べ、武装勢力側との対話を模索する姿勢も示している。