シリア当局は28日、国連安全保障理事会と潘基文国連事務総長に書簡を送り、米軍のヘリコプターが26日にイラクからシリア領内に越境攻撃した件への反発を正式表明したと言う。
シリア国営通信SANA通信が伝えた。
米軍は、イラクへの武器密輸に関与している人物が攻撃の標的だったと釈明。しかしシリアは攻撃で民間人8人が死亡したと主張し、書簡で「侵略行為」との認識を示した。シリアはまた、こうした事態の再発を防ぎ、無実の民間人を殺害した「侵略者」を拘束する事などを国連に要求した。
潘事務総長の関係者は書簡を受領した事を認め、内容を確認したうえで国連安全保障理事会で配布すると述べた。
シリアは死亡した8人に子どもや女性が含まれていたと主張しているが、米国はこれを否定している。シリアは越境攻撃への対応措置として、首都ダマスカス市内にある米国文化センターとアメリカンスクールを閉鎖すると発表した。
一方、イラク政府は米軍の越境攻撃を非難し、再発防止を米軍に要求した。イラク政府は今回の事件について調査中という。イラク連邦議会も声明で遺憾の意を表明し、事件によってイラクとシリアの関係が損なわれる恐れがあると指摘した。